猛威を振るうコロナウイルス…コールセンターの在宅勤務化は多分進まないと思う話

雑記

かつてコールセンターを運営する企業で社員として働いていた私です。
 
もう卒業してから随分経つので、最近のコールセンター事情は一切わかりません。
 
が、これだけコロナウイルスが猛威を振るう中、オペレーションは今どうなってるんだろう?と気になったので、今回はそのことについて記事を書こうと思いました。
 
 

家で働ければ良いがそうもいかない理由

コールセンターの仕事は基本的に1対1の仕事です。
 
電話を介してオペレーターがお客さんと1on1でコミュニケーションをとる。
 
もちろん、オペレーターが即答できない質問や、即決できない権限の問題なども生じます。
 
そういう時は上長に確認しないと物事を進められないですから、全くの1人で出来る仕事では決してないんですが、ただ、お客様から見ればそういう時であっても窓口となっているオペレーターは基本1人です。
 
上長への確認が必要な際には通話を保留したり折返しの約束をして、オペレーターが上長に回答内容を確認した上で、再び自分でお客様と対話する。
 
これが基本的な対応の進め方です。
 
 

Appleのコールセンターには自宅勤務という形態もあるが…

自宅勤務のオペレーターという体制を積極的に取り入れてる企業もあります。
 
見出しの通りなんですが、あのAppleです。
 
実は以前の同僚がこの形態で働いているので、その人からけっこう体験談を聞かせてもらったこともあるんですが、この形態自体は特に隠す必要があるものでもなく、パブリックな情報としてAppleのサイトにも求人情報が掲載されています。
 

 
在宅勤務と言っても、この形態はちゃんとチーム制になっているらしくて、上長とのやりとりはメッセージツールを使ったり、内線通話的なものを使ったりして、聞く話では会社勤務以上にチームでのコミュニケーションを意識した仕組みになっているそうです。
 
ちなみに電話回線はどうしているのか?というインフラ的な話を超ザックリ説明すると、インターネット網を利用して在宅であってもAppleのネットワーク網の中に入った状態で仕事をすることができるんですね。
 
Appleコールセンターの電話は基本的にPC操作で受発信できるようになっているので、それ専用のシステムとiMacが貸与されるらしいです。(伝聞ベースの話なので間違ってたらごめんなさい)
 
 

Amazon Connectというどんな会社でも使える仕組みまである

さすがApple!やっぱりハイテク企業だって思った方もいるかもしれませんが、今の時代、在宅コールセンターを構築するというのは少なくともシステムの話だけで見れば、そんなに難しいことではないみたいです。
 

 
このAmazon Connectもそうなんですが、クラウド型のコールセンターを提供するサービスというのが普通に提供されている時代なんですよ。
 
しかも会社のお金として考えれば、比較的安価で導入することができるので、私の知り合いで中小企業の社長がいるんですが、この人もAmazon Connectを使って、自社の発信業務を在宅ワーカーで賄えるようにしています。
 
実際に私自身がこのサービスを使ったことはないので、具体的なレビューは出来ないんですが、ネット上の評判を見るとまだまだ一長一短なところは多いみたいですね。
 
ただ、在宅のコールセンターを構築するシステムがあるのか?ないのか?と言えば、今の時代は完全に『イエス』なわけですね。
 
 

システムはあっても大手コールセンター運営企業で在宅勤務は進まないと思う理由

さて、ここからが本題です。
 
まずは在宅でコールセンターをやれるのか?ということについて、前置きとして事例やサービスを紹介したんですが、じゃあコールセンターという仕事の在宅化が進むのかと言えば…私は『ノー』だと考えています。
 
例外として自社で賄っているコールセンターなら可能かもしれませんが、多くのコールセンターはクライアント企業がコールセンター運営に特化した企業に業務委託をしているコールセンターです。
 
最初に紹介したAppleだって一部のコールセンター業務は委託していますし、あのGoogleだってそうです。
 
業務委託をしているのはもちろんIT企業だけじゃありません。
 
電力会社もガス会社も基本的にはどこかのコールセンター運営企業にコールセンター業務は委託しています。(具体的にどこという話まで私は知ってますが、これはごめんなさい!守秘義務になるので答えられません!)
 
そして、私が大手コールセンターの在宅化が進まないと考える最大の要因もこの『守秘義務』にあります。
 
業務委託を受けているコールセンター企業はクライアントと守秘義務契約を交わすことになります。
 
この守秘義務にはクライアント名を第三者に言ってはいけないという事項も含まれます。
 
まあ、実態としては家族にどんな仕事をしているか?話さない人はいないと思いますので…まず話しているかと思いますが、この守秘義務をそのまま解釈すると、例え身内であってもクライアントの名前を教えてはいけないことになってます。
 
一人暮らしの人はまだしも、この守秘義務がある以上はご家族と同居している人はこの時点で在宅勤務はできないですよね?
 
家で電話受信してれば間違いなくクライアントがどこか?なんてことは身内にバレますからね。
 
また、コールセンター内には基本的に携帯電話は持ち込めないことが多いです。
 
紙やペンも持ち込めないことが多いです。
 
紙やペンについては業務で使う場合もありますが、それはセンター内で貸与されます。持ち出しは不可、退職する時はノートごとシュレッダーにかけるくらいにはセキュリティが厳しいです。
 
なんで携帯や筆記物がNGかと言えば、個人情報や社外秘を書き出して持ち出される可能性があるからです。
 
在宅勤務となると、そのあたりもアバウトになってしまうので、難しいでしょうね。

 
最初に例として挙げたAppleのケースなんですが、あの職種はAppleの正規雇用として責任や権限を与えられているからこそ出来る勤務形態とも言えます。
 
対して大手のコールセンター運営企業のオペレーターというのは基本的に非正規雇用の方が多いです。
 
アルバイト、派遣社員、契約社員など
 
もちろん正社員もいますが、正社員は主にマネジメント業務をやるので電話を取ったりすることはほとんどないんです。
 
大手のコールセンターで在宅勤務が進まないと考える理由は、最初に書いた通り『守秘義務』でがんじがらめになってる部分が大きいとは思いますが、もう1つ挙げるとすれば、基本的に非正規雇用なので権限を与えられていないという部分も大きいです。
 
 

コールセンターは感染病の温床

だと私は思ってますよ。
 
1年ほど沖縄のコールセンターに長期出張という体で所属していましたが、沖縄は冬でも最高気温が20℃とかあります。
 
それでもセンター内では爆発的にインフルエンザが流行ったりしましたからね。
 
大きなセンターだと1,000人近い人が1フロアに集まって、ひたすら話し続けているわけですから、いくらマスクをしていたって防げるものではありません。
 
また、コールセンターはセキュリティ面が非常にシビアです。
 
窓を開けていることによって、資料が建物外に飛んでいってしまうリスクまで考えていますから、基本的に窓はほとんど開けませんし、外部から盗撮されることまで想定しているので、むしろ窓があまりないような建物にセンターを作りたがる傾向にあります。
 
つまり、換気がめちゃくちゃ悪いんです。
 
 

さらに困ったことは在宅者が多いと儲かる業種であること

在宅勤務化が進まないとすれば、人員を極力減らした上でオペレーションすることが理想だとは考えますが、現実的にはそうもいかないのです。
 
コールセンターのシフト配置というのはこれまでの運営から生まれた数値によって、電話量(入電数)を予測した上で決定しています。
 
その予測の精度はかなり高いですし、その入電数がさばけるだけのギリギリの人員配置で日々戦っています。
 
さて、入電数が多くなる日の傾向なんですが、基本的には休日・祝日、そして悪天候の日です。
 
つまり、家にいる人が多い日に限って電話はよく鳴ります。
 
コロナウイルスの騒動で全国的な休校やテレワークなどの対策が進んでいますから、通常と比べれば今は家にいる人が多い時期、つまり電話がよく鳴る時期なんです。
 
クライアントとコールセンターとの契約形態は様々ではありますが、よくある契約としてパーコール(per call)というものがあります。
 
つまり電話を取れば取るほどクライアントからお金をもらえる成果型報酬の契約です。
 
コロナウイルスによって経済的な損失が大きい業種が数多くある中で、コールセンターという業種は不況に強い業種とも言われています。
 
鳴った電話を取れば取るほどお金は儲かりますからね。
 
もちろん、コールセンターという職種はいろんな人の役に立っています。
 
それがないと困ると言える仕事ですし、大前提としてお金を儲けることは大事なことですが(お金が無ければいずれにせよ生きてはいけないですから)
 
でも、いちばん大事なのは言うまでもなく人命ですからね。
 
当事者は傍観者よりも間違いなく真剣に考えてますし、きっと大丈夫だと思ってますけど…
 
致死性があるウイルスですから、運営側にはお金に目が眩んで無明に陥ることがないことを…切に願うばかりです。
 

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